皆さんこんにちは!
古銭コレクターのコータです。
「雲上の女神」
1908年、皇位60周年を記念して作成されたコインです。
重量は33.87g、直径は37mmの大型の金貨です。
カタログ価格はミントステイトがUNCで3500USD、プルーフが3750USD。
皆様ご存じ、とてもロマンチックな逸話がありますね。
不運の死を遂げたエリザベート。
残されたヨーゼフは悲しみに打ちひしがれ、このコインを作りました。
【表面】ヨーゼフの肖像。
【裏面】上の女神(故エリザベート)
二つ並べると顔が向き合うように、、、
涙なしでは語れません。
『女神』に例えられたエリザベート、皆様さぞかし容姿端麗、良妻賢母の姿を思い浮かべる事でしょう、、、。
、、はたして本当にそうだったのか??
前置きが長くなりましたが、今回、この『雲上の女神』のエリザベートの仰天エピソードをお話しさせて下さい。
エリザベート(1837-1898)
もちろん女王ですが、バイエルンという当時とんでもないド田舎に生まれる。
幼少期から自由奔放、勉強が大嫌い。
16歳の時、姉のお見合い相手だった7つ上のヨーゼフに一目惚れされてしまい、強引に結婚。
めでたくオーストリア女王になったが、姑からのお妃教育が嫌で、「病気の療養」と称して北アフリカやヨーロッパ各地に70名ものお供を連れ贅沢旅行三昧。
そして「美」への執着は半端じゃなく、
毎日三回の体重測定。
この時代には珍しくベジタリアン。
身長172cmで体重45kg ウエスト51cmをキープ。
自慢の長髪は毎日スペシャルシャンプー(卵黄30個+コニャック)。
背中をまっすぐにするために枕を使わない。
まだあります。
人嫌のためなるべく誰にも会わないよう庭へ特別階段を作らせる。
歯並びにコンプレックスがあったため最低限しか喋らない。
名馬、宝石など珍しいものがあるたび即購入。
そんなやりたい放題のエリザベートにヨーゼフは
「好きなだけ、楽しんでくるんだよ。貴方を思うヨーゼフより」
と、毎日花束付きの手紙を送るほど寛大でした。
波乱の時代のオーストリア。
忙しい政務に追われ、心身共に疲れ果てていたヨーゼフを癒したのは、執務室にあるエリザベートの等身大の絵だと言われています。
本当はそばにいてほしい、だけど若くから皇室に嫁がせてしまって、このまま中に閉じ込めてしまっては彼女らしさがなくなってしまう、、、
本当に大好きだったのでしょうね。
悲劇は突然、、
エリザベートが60歳の時、旅行先のスイスで無政府主義者にナイフで暗殺されてしまいます。
それから10年後、皇位60年を記念して『雲上の女神』が発行されました。
ヨーゼフは10年経ってもまだエリザベートの事を愛していたようです。
『雲上の女神』。
途中はエリザベートの悪口のようでしたが(笑)、知れば知るほど奥が深く、歴史もあり、本当に大好きなコインです。
ただ、大人気のメジャーなコインなので「偽物」にだけは気を付けてくださいね!!