お久しぶりです。HAMANAKAです。
今回は、7月に起こったトルコクーデター未遂事件や世界で多発しているテロ行為によって脅かされる世界経済を見ていきながらコイン市場にどのような影響を与えているかを書かせていただこうと思います。
2016年7月15日夜、トルコではトルコ軍の一部勢力が国営テレビ局を占拠して「憲法に基づく秩序と民主主義を取り戻す」との声明とともにクーデターにより政権を掌握した旨を発表しました。
彼らは最大都市イスタンブールのボスポラス海峡大橋を封鎖したほか、首都アンカラでは大国民議会(国会)への爆撃を行うなどの武力行使を行いました。
皆さんのイメージでは「トルコ」と言う国は、内乱とか紛争、戦争というイメージしか浮かんでこないのではないでしょうか?。
確かにトルコ自体は、昔から紛争や内乱、革命の繰り返しで安定した国家とは言えません。
しかし、太古から古代オリエント文明、古代ギリシアローマ文明、ビザンティン文化、イスラム文化と言うすばらしい文化発祥の地であり、国家レベルで言いますと都市イスタンブルはローマ帝国、東ローマ帝国、オスマン帝国と3つの世界帝国の中心であった場所でもあります。
歴史上初めての貨幣「リディアコイン」発祥の地リディア王国もトルコです。
今回の事件は、国内の一部の軍関係者のクーデター行為ではありましたが、テロリストからなぜトルコが狙われるか?と言う疑問が出てきます。理由はいくつか挙げられます。
トルコはシリア、イラクと1250キロ余りにも及ぶ国境を接しており、その一部は今もISISの支配下にあります。ISISはこうした国境の抜け道を利用して戦闘員を確保し、武器その他の物資や石油の密輸を行ってきました。
またトルコ政府はシリア内戦開始以降、難民だけでなく、シリアのアサド政権と敵対する反政府派に対しても門戸開放政策をとってきました。
それに乗じてISISはじめイスラム過激派やテロ組織がトルコ国内でネットワークを構築しているのです。
これら3つの地域からシリアとイラクでの戦闘に加わろうと「聖戦士」志願者が続々と流入し、
そのためISISにとって、今のトルコはNATOの加盟国の中で最もアクセスしやすく、
衝撃的なテロを実行しやすい国になっているのです。
ヨーロッパの主要国やアメリカに工作員を送り込むには国境警備や空港のセキュリティーチェックをすり抜ける必要はありますが、トルコで欧米人観光客や欧米の政府要人を狙えば、はるかに容易に欧米でのテロと同様の効果を上げられる事が大きなトルコが狙われる要因なのです。
太古からトルコは場所もイスラムとヨーロッパ圏に挟まれている為、どちらに偏る事の出来ない土地だったのです。
皮肉な事に歴史上初めて「文化」「貿易」「商業」を生んだ発祥の地であり、
私たちが見ている素晴らしい「アンティークコイン」の技術やデザインは、このトルコから発信されているのです。
このようなクーデターやテロ行為が多発すると、世界経済に大きく左右されます。
しかし安全性に不安があるとみなされると、それが別の国に移されたり、新規の事業が敬遠されたりします。
イメージの悪化はそれだけで企業活動にまで影響を与えるので、こうして注目を一度集められてしまうと付いてしまった負のイメージが回復するのには時間がかかり、場合によっては負のスパイラルを起こしどんどん低下する可能性もあります。
___コイン市場では、今まで主流だったヨーロッパでのフロアーオークションが開催地のセキュリティや安全面から「ネットオークション」に一部切り替えられたりされています。
また、このような情勢からヨーロッパに本社を置くコイン業者がアメリカやアジア圏で、ヨーロッパでは開催出来ない「フロアーオークション」の開催に力を入れだしている傾向も見られます。
経済不安は、アンティークコインのとっては「追い風」となり、コイン市場では、売りと買いが増え、高額取引が頻繁に行われ、普段市場ではお目に掛かれないコインが多数出品されてきます。