記事内容
こんにちわ、アンティークコインTV編集長の神田です。
昨今、値上がりを見せているドイツのダカット金貨。どれもこれもかなり高値になりつつありますね。
いざ購入しようと思っても、値段やデザインも様々で、なかなか迷ってしまう方も多いと思います。
そんなドイツダカットですが、僕が今回ご紹介するのは「ラムダカット」です。
まだ低い価格帯でありながらも人気があり、なんといってもかわいい羊のデザインが魅力です。
■最後の都市景観コイン
都市景観コインといえば、やはりドイツのニュルンベルクのコインが人気ですね。
1806年発行のラムダカットもその中のひとつです。
表面はゼウスの神話からデザインされた「地球上に立つ羊」で、
裏面は当時の都市の風景が鮮明に描かれています。素敵ですね。
この年に、1ダカット、2ダカット、3ダカットの三種類が発行されているのですが、
実は、ニュルンベルク都市景観金貨は、このラムダカットの発行が最後なんです。
■年号の暗号化
ラムダカットに限らず、1600年~1800年頃のダカットコインには多くみられますが、
年号を数字ではなくクロノグラムを使用し、暗号化して表記していました。
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「クロノグラムとは?」
アルファベットを数字として用いた年代表示の方法。
通常は文、または句中に大文字を用いて年代を示す。
____________________※コトバンク引用
なので、ラムダカットも暗号化されていて、クロノグラムを使用してコインの大文字をたどると、その発行年数となります。
なかなか面白いですよね。
■記念金貨では珍しい?「クリッぺコイン」
この四角いラムダカット、みなさんも見かけた事があると思います。
このラムダカットは、1700年の単年度発行で記念金貨として発行されたのですが、
なんとも珍しい四角いコインで、その珍しいデザインも人気の理由のひとつとなっています。
1500年頃に緊急発行のためコインを丸く模る手間を省くために、四角く模られたのがキッカケで、このラムダカットが発行される少し前に誕生しました。
四角いコインの事は「クリッぺコイン」といいます。
この1700年に単年度発行されたラムダカットのクリッぺコインは、デザインをそのフォルムがとてもかわいらしく、
女性にも大変人気のあるデザインとなっています。
みなさん、いかがでしたでしょうか?
次回は久しぶりに古代ローマ皇帝にまつわる少し面白い話を書きたいと思います。
さて、今日もポップコーンを片手に大好きな古代コインとイギリスコインを部屋で眺めます。