アンティークコインを海外オークションなどで入手した場合、気になるのが関税の存在ではないでしょうか。外国から輸入されることになるため、関税が必要なのか心配です。
また、他の税金についても理解しておかなければ、安心して投資や収集することができません。アンティークコインを手に入れる前に、関税を含めた税金関係について知っておくべきです。
そこで今回は、アンティークコインと税金の関係について紹介していきます。
1 アンティークコインと関税について
1.1 関税はかからない
1.2 消費税はかかる
2 アンティークコインで関税以外の税金について
2.1 売却した場合の税金
2.2 相続時した場合の税金
3 まとめ
1 アンティークコインと関税について
アンティークコインは、海外のサイトやオークションからも購入できます。海外サイトや海外オークションで購入し、郵送でコインが送られてくる場合の関税を心配している方もいるでしょう。
そこでここでは、海外サイトやオークションでアンティークコインを購入した際の税金について紹介していきます。
1.1 関税はかからない
海外サイトで購入して日本に郵送してもらった場合の関税ですが、実は必要ありません。意外かもしれませんが、現行ではない貨幣の輸入には関税はかからないようになっているのです。
アンティークコインは、一般的に100年以上前に製造・流通したコインであり、現行では使用されていません。そのため、アンティークコインを輸入した場合、関税についての心配はないのです。
海外のサイトやオークションで購入した場合、関税について不安になるかもしれません。しかし、アンティークコインは関税がかからないため、安心して郵送してもらいましょう。
1.2 消費税はかかる
関税はかからないわけですが、輸入した場合には消費税はかかります。個人輸入であっても消費税はかかるため、海外のサイトやオークションで購入しても消費税がかかるのです。
そこで心配になるのが、個人輸入での消費税の支払い方法についてではないでしょうか。しかし実は、あまり不安になる必要はありません。
なぜなら、多くのケースで勝手に消費税が計算され、その消費税は郵便局や民間の運送会社が代理で納付しているからです。そのため、郵便局や運送会社が荷物を届ける際に、代理で収めた消費税を回収することが多いです。
基本的に面倒な手続きはないため、安心して海外のサイトやオークションでアンティークコインを手に入れてください。
2 アンティークコインで関税以外の税金について
アンティークコインを海外のサイトやオークションで購入した場合の税金については、理解することができたのではないでしょうか。他にも、アンティークコインと税金が関係している部分があります。
そこでここからは、アンティークコインで税金がかかるケースについて解説していきます。
2.1 売却した場合の税金
アンティークコインと税金の関係で、重要となってくるのがコインを売却した場合です。コインを売却し、利益が出れば課税の対象となります。
一般的な個人が行う売買の場合、総合課税の譲渡所得に区分されるようになっています。ただ、商売や副業で売買する場合、事業所得や雑所得に区分されるので注意してください。
総合課税の譲渡所得の計算式は、以下の通りとなっています。
譲渡所得=売却価額-(購入代金-譲渡費用)-特別控除50万円
購入代金には手数料なども含まれており、譲渡費用は売却するためにかかった費用のことです。また、これはアンティークコインを入手してから、5年以内に売却したケースでの譲渡費用となります。
5年以上所有した場合、「長期譲渡所得」となって先ほどの計算に×1/2を行うことができます。課税対象の金額が減るため、5年以上所有してから売却するのが税金対策になるのです。
2.2 相続した場合の税金
アンティークコインは、相続の際にも税金が関係してきます。趣味目的の所有・投資目的の所有いずれであっても、アンティークコインは相続税の対象です。
相続税の評価ですが、相続発生時点のコインの時価となっています。残念ながら、貨幣の額面ではなく時価となっているので注意してください。
また、相続発生時点の評価額の決め方は、「売買実例価額」や「精通者意見価格」を参考にして評価するようになっています。売買実例価額は、市場で取引されている価格のことです。
精通者意見価格は、アンティークコインを取り扱っている業者や鑑定人などによる評価のことを指しています。この2つを参考にして、アンティークコインの相続税は決まるのです。
3 まとめ
アンティークコインの関税や税金について紹介してきました。アンティークコインを海外のサイトやオークションで購入した場合、関税はかからないので安心してください!
また、個人輸入となって輸入消費税はかかります。ただし、基本的には面倒な手続きなどはなく、商品が郵送された際に支払うケースがほとんどです。
アンティークコインは、売却した場合や相続した場合に税金が関係してきます。売却して利益が出れば、税金がかかるので注意してください。
相続税については、どんな目的での所有でもかかります。相続税は相続時の時価が評価額となるため、価値が高騰する前に贈与しておくなどの税金対策をするのがおすすめです。