アンティークコインTV編集長の神田茂樹です。
コイン収集をしていると、その国、その年を統治している偉い人の肖像があるコインがほとんどだと思います。
そんな中、鳥が描かれている人気のコインがあります。
そのコインは、ドイツ領 ニューギニアで発行された10マルク金貨、通称「極楽鳥」です。
表には「極楽鳥」裏には「ヤシの花輪」が描かれています。
このコインは、「金貨」「銀貨」「ペニヒ貨」などの多くの種類があります。
金貨だけで見てみると、10マルクと20マルクの2種類しかなく、合わせても3500枚という発行枚数です。
この金貨はドイツ関連のコインなのですが、ドイツの国章の鷲のデザインを使用することが認められなかったため、極楽鳥を使ったという話です。
さて、一枚づつご紹介していきましょう。
お付き合いお願いします。
直径は29.5mm、発行枚数は24000枚です。
銅貨ですが国内、海外でも比較的人気があり取引価格も数万円程度になります。
こちらのコインはプルーフもありデータとしては数が少ないのですが安い物では800USD程度でで取引される事があるようです。
価格もお手頃ですのですし、比較的大きなコインですので極楽鳥のコレクションの入門としておすすめです。
重量は2.7g、発行枚数は16000枚です。
非常に小さな銀貨ですがこちらも国内、海外で人気があります。
過去の海外での落札データですと未使用クラスの状態の良い物だと350USD〜400USD程度になります。
こちらのコインもフルーフがありペニヒ貨に比べると価格上は安くなっています。
重量は5.5g 発行枚数は33000枚です。
1/2マルクに比べ発行枚数は多いのですが国際価格は高くなっています。また1/2マルクよりも市場に出回る数が少ない気がします。こちらについてもプルーフがあります。
重量は11.1g、発行枚数は13000枚です。
過去の落札価格は状態のいい物ですと1000USD〜1400USDです。
実際に手に入れる事のできる価格としては12万円〜位にはなってしまうと思います。
こちらもプルーフ貨があり、過去に50万円前後値がついたという事で銀貨としては
かなり高額なコインとなります。
重量は27.7g、発行枚数は19000枚となります。
過去の落札価格は1500USD〜3000USD程度となります。
こちらもプルーフがあります。過去に市場価格は実にカタログ価格の5倍以上のなっており今後、カタログ価格も含め市場価格は上がって行く事、間違い無しの一品です!
さてさてついに、金貨の登場です。
1895年 10 マルク 金貨
重量は3.9g、発行枚数は2000枚です。
極楽鳥の金貨はこの10マルク金貨と20マルク金貨しか無く両方合わせても発行枚数は3500枚程度しかなく非常に希少です。
1895年 20 マルク 金貨
重量は7.9g、発行枚数は1500枚です。
プルーフもありミントステイトより安く落札されています。
金貨までは難しいかもしれませんが銅貨、銀貨のコンプリートを目指したいコレクションですね!
この極楽鳥の羽の1枚1枚が『ゴチッククラウン』の繊細を越えていると言われています。
確かに、羽根の一枚一枚が放射線状にのびていて、
もしかしたら実物よりも綺麗なのかもしれません。
ちなみにですが、『ゴチッククラウン』とは・・・
1847年にイギリスでヴィクトリア女王の即位10周年を記念して
発行された5シリングに相当する銀貨の名称です。
・・・・ちょっとした豆知識も出してみました。
いかだでしたでしょうか?
この極楽鳥のコインは
「近代アンティーク・コインの中でも最も美しい」と言われています。
そんなコインを皆さんも手にしてみてはいかがでしょうか?
それでは今日もポップコーンを片手に、大好きな古代コインとイギリスコインを部屋で眺めます。