アンティークコインコンシェルジュの安井です。
「綺麗な女性」と「そうでない女性」・・・
今は性格などの要素を横に置いておいて、
どちらに心を奪われるでしょうか?
「聞くまでもないですよ 綺麗な女性に決まってるじゃないですか!」
間髪入れず返答がかえってきそうですね。
コイン収集家の95%以上が男性を占める現況を踏まえこのコラムを主に男性がご覧になられているものとしての質問でしたが唐突な出だしで始まった第2回目は、5年間に渡り、お客様と接客していて感じた事について触れたいと思います。
収集家には大きく2つの系統が存在しています。
1つは「綺麗なコイン」が好きで収集する人
もう一つは「綺麗でないコイン」が味わい深く、歴史を感じるのが好きな人
「綺麗なコイン」とは・・・
まるでワックスで磨いたかのように新品に光り輝いたコイン。
「綺麗でないコイン」とは・・・
何百年間も空気に触れたり、人間の皮脂によって化学反応を起こし、汚れたり変色したコイン。
お客様が目の前に並んだキャビネットのコインを目にして
「このコインが欲しい」
そう思うのは1秒にも満たない、僅か一瞬の直感です。
その一瞬の間に、「綺麗」か「綺麗でない」かを判断し、心を奪われてしまいます。
人間の性なのでしょう。
新品同様に光り輝いたコインは、
価値に関係なく「綺麗」なものにため息を漏らされる方が多くいらっしゃいますが対して、
コイン全面にヘアラインがあったり、
スクラッチ(キズ)、経年劣化による摩耗、変色など「綺麗でない」状態は、心のときめきが湧かないですね。
何といってもやはり、第一印象です。
勿論グレードや、将来の利殖を度外視できませんが先ずは見た目を重視されています。
それほど第一印象は大切なんですね。
じゃあ、「実際に見た目で人気のある、当店No1コインは何なのか?」
こう問われれば、答えは間違いなく『モダンコイン(現代コイン)』ですね。
何それ!?
コインは大きく
「古代コイン」
「アンティークコイン(クラシックコイン)」
「現代(モダン)コイン」に大別されます。
コイン収集に興味を持ち始められた方は
少ない知識の中で、コインディーラーに勧められるまま集められる方が多いようですが、
少し立ち止まって見てください。
ご自身が大金をはたいて入手されたコインがどの部類に入るのか
人気の高いコインを集めているのか?
少し考えてみては如何でしょうか?
「古代コイン」
「アンティークコイン(クラシックコイン)」
「現代(モダン)コイン」
大別されるこのカテゴリーの中で、
じゃあ「現代(モダン)コイン」の何が人気なのか
何に投資すればよいのか?
全世界にある国の数は196か国その中で最もリターンが望めるコインとは‼︎?
一言でいえば『誰もが欲しいと思えるコイン』
今最も注目を集めるのはイギリス数あるアンティークコインの中でも
世界で最も美しいコインの異名を持つ『ウナ&ライオン』を有する国ですね。
何といってもデザインが美しい。
経済大国の中でも人気のある国として
昨今、ヴィクトリア女王に次いで王室として
在位期間が歴代最長の英国君主となったことは記憶に新しいですね。
昨年2015年9月9日、在位63年216日を数え益々ご健在でいらっしゃいますが、
ジョージ6世の死去後僅か25歳で即位した1952年は第二次世界大戦の傷跡冷めやらぬ時期で、
植民地時代が終わった大英帝国の衰退を横目に、戦禍からの復興に尽力され、
英連邦諸国や世界各国を積極的に訪問するなどこれまでの王室とは一線を画し「国民に親しまれる王室」を作り上げました。
それでもチャールズ皇太子とダイアナ元妃の離婚や、翌年の元妃の事故死など、
私達も関心の強かったニュースが世間を騒がせました。
それでもなお、隠すことなく若い世代へ情報を発信し、さらに国民に身近な王室に変貌させた国王
そんな絶大な人気を誇る女王が肖像として描かれるコインが
1989年から毎年発行され続ける、イギリスの5ポンド金貨、モダン金貨です。
数ある国々が発行する現代金貨の中でも、最もけん引役として、
これまで不人気だった現代金貨を投資用としての地位を確立させたのは、
この『エリザベス女王』の人気によるものと言っても過言ではありません。
現代金貨は、定番の女王の横顔が描かれたものです。
裏にはセントジョージが竜と格闘し、そして退治している瞬間が描かれたもの
一見すると竜の断絶魔の叫びが聞こえてきそうな
何とも派手なデザインです。
1987年から発行されるブリタニア金貨も素晴らしいのですが
モダンイシュー金貨の方に人気の軍配があがります
中でも
『1999年発行のダイアナ追悼記念5ポンド金貨 発行数7,500枚』
『2012年発行のエリザベス2世即位60年記念 5ポンド金貨 発行数3,850枚』
ダイアナ追悼記念は他にダイアナ元妃を描いた5ポンド金貨が無いことから
そして、2012年のエリザベス女王即位60周年記念金貨は女王の即位当時の若々しいローレル(冠)を
あしらった横顔が大変な人気で
『ヤングエリザベス5ポンド金貨』を上回る人気となっており、
コレクターの皆さんが考える以上に、イギリスにはコインが存在せず大変入手困難な1枚となっています。
ここ近年は2倍にもなる伸び率からとどまるところを知らない人気の、幻の現代コインとなっています。
以上、コインコンシェルジュ 安井でした。