こんにちは、ファイナンシャルアドバイザーのHamanakaです。
今回は「日本市場での日本の古銭、ヨーロッパのアンティークコインの人気比較」についてお話をしていきたいと思います。
まず、日本の古銭は708年に日本で初めて鋳造されたとされる「和同開珎」が事実上最初の古銭の始まりとなり、
その後中国との日宋貿易を経て、
宋銭が、後には勘合貿易で永楽通宝などの明銭が大量に輸入され、渡来銭が貨幣として流通しました。
後に江戸幕府によって本格的な貨幣制度が整備され、
幕府は小判や丁銀をはじめとする様々な種類の金貨、銀貨を流通させるとともに、銭貨として寛永通宝を鋳造しました。
そして、日露戦争が始まった頃から、軍事用途として使用された軍票などの紙幣が見られたが、
その後の第二次世界大戦では軍資金重視の為、硬貨にアルミや銅などの極めて安価な素材が使用されました。
1964年の東京オリンピックより記念硬貨の発行が行われるようになり、
その後天皇の即位、成婚や国際博覧会の開催を記念したものなどが発行されています。
このように日本古銭も1300年程度の歴史があり、
日本にもおおよそ2~3万人程度の古銭コレクターが存在しているといわれています。
第二次世界大戦後の高度経済成長、1964年の記念硬貨発行などにより日本古銭も右肩上がりの成長を見せていました。が、
バブル崩壊後、日本の経済の衰退とともに日本古銭の市場価格は下落してしまいました。
では、
なぜヨーロッパコインは世界経済が下落する一方で市場価格が上昇しているのに対して、
日本古銭は日本経済に大きく影響を受けたのでしょうか?
それは、日本古銭を支えていたコレクターがほぼ「日本人」だったからなのです。
日本経済がドンドン成長する中バブル期に日本古銭は急激に価格が押し上がりました。
ところがバブル崩壊後、
その日本古銭市場をさせていた日本人コレクターも当然のように資金難、経済不況に陥り、
日本古銭の価格も値下げせざるを得ない状況となってしまったのです。
それに対してヨーロッパコインはどうなのかと言いますと、
ヨーロッパコインは
「古代コイン」
「神聖ローマ金貨」
「イギリス金貨」
をはじめ、
コレクターは世界中に300~400万人いると言われています。
要するに世界中にコレクターが存在している時点で、
1国の経済の乱高下に左右されるリスクは限りなく低いということが分かります。
また、ヨーロッパの国々の国民は歴史的にも内戦や紛争の多い国であり、
あまり自国の通貨、銀行に対して信用をしておらず、
手に持って運ぶことのできる資産としてアンティークコインを資産保全、資産移転の手段としての文化が古くから根付いています。
なのでコレクターだけでなく投資的、
資産保全的な考えでアンティークコインを保有される方々も多いのです。
では、資産保全・資産移転できるコインはどのようなコインが適しているのかというと、
必然的に世界中にマーケットがあり、いつでもどのエリアでも売却のできる換金性の高いコインでなければなりません。
前述で述べた、日本古銭をはじめ 中国古銭、ロシア古銭などもマーケットはありますが、
自国民のコレクターの比重が高く、世界中にマーケットがあり換金性が高いとは言えません。
つまり「自国の経済に左右されてしまう」という結果となります。
それに対し、ヨーロッパ古銭は、世界中に安定したマーケットがあり、
コレクターや資産保全、投資家も多く換金性の高いコインです。
このようなヨーロッパコインは一国の経済状況に左右されることなく安定的な価格上昇を遂げています。
皆様も今後の世界経済状況と日本経済状況を想像して頂ければ、
どのようなコインを保有すれば良いのかというものがお分かりいただけたのではないかと思います。