アンティークコインTV編集長の神田茂樹です。
今回は、僕も大好きな古代コイングレード表記についてご紹介したいと思います。
前回「アンティークコインの入っている「スラブ」って何?」の記事を書いた時にも
グレードの紹介はしましたが、古代コインでは他にもグレード表記があります。
グレード表記は、通常の鑑定表記に、
古代コインでは、Choice (Ch)がついたグレードが加わります。
AU・・・AU50~53
Ch AU ・・・AU55~58
MS ・・・MS60~62
Ch MS ・・・MS63~64
Gem MS ・・・MS65~70
この他にも、Strike(打刻)やSurface(表面状態)などの項目があり、ここについては5段階評価で表されます。
でも、古代コインでGem MS級のものは極めて少ないです。
MSやCh AU鑑定でも、かなり状態が良いと考えて良いと思います。
なんといっても、数百年も前のコインですからね・・・
さて、突然ですが、僕が綺麗だなと思ったコインを紹介したいと思います。
これはもう他の人の手に渡ってしまってます。とほほ。
古代ギリシャ BC336-323 アレキサンダー大王 テトラドラクマ銀貨
表:アレキサンダー大王の右向き頭像。
裏:玉座に座る最高神ゼウス左向き座像。神託を届けるワシ。
Ch AU(準未使用)
Strike(打刻):5/5(満点)
Surface(表面状態):5/5 (満点)
NGC鑑定
Choice AU 5/5, 5/5の満点評価で申し分無しですね。非常に高いグレードになります。
2300年以上前のコインとは思えない美しい輝きを保っている・・・
歴史的な芸術遺産とも言えるコインになります。
その他にも、古代コインのグレード表記には、
更に★やFine style(ファインスタイル)という表記が加わることもあります。
★は+評価を表し、これがついていると”より良い”という事です。
ファインスタイルは、
「芸術性に富み打刻がコインの中央にうまく収まっている場合」に付きます。
古代コインはラベル上のグレードが同じでも、
個々の打刻の状態、形状、重さなど、異なることが多いです。
オークションなどでも「XF→極美品」と「AU→準未使用」が同時に出品されている場合、
「XF」が「AU」よりも高く取引されるようなこともよくあります。
不思議ですが、古代コインの場合だとグレードよりも、
スタイルや、希少性が重視される事が多いのでそういった取引がされるんですね。
僕自身も、オークションなどに行った際に、
「これは、表面の状態がいいな~」なんて考えていると他の方もそう思うのか、
どんどん入札額が上がって行ったのを目の当たりにした事があります。
皆さんに少しでも古代コインの楽しさが伝われば僕は、感無量です。
それでは今日もポップコーンを片手に、大好きな古代コインとイギリスコインを部屋で眺めます。